はじめに|「産後の妻、なんか冷たい…」と思ったら
出産後のある日、ふと思った。
「なんでそんなにイライラしてるの?」
「前はもっと笑ってたのに…」
「俺、なんかした?」
産後の妻の様子に戸惑い、どう接すればいいのかわからず、距離を感じる毎日。
そんな僕が数ヶ月後に知るのが、「産後うつ・産後クライシス」という現実でした。
この記事では、僕自身の失敗と学びを通じて、
- 妻の産後メンタルの兆候に気づけなかった理由
- どう接すればよかったのか
- パートナーとしてできること
について、赤裸々にお伝えします。
「出産=おめでたい」だけじゃなかった現実
子どもが生まれたとき、僕は心から喜んでいました。
元気な泣き声を聞いた瞬間、自然と涙が出たのを覚えています。
けれど、その後待っていたのは、寝不足・慣れない育児・家事負担の連続。
そして何より、妻の変化に戸惑う日々。
- ちょっとしたことで怒る
- 会話が減った
- 笑わなくなった
- 無気力、無反応な時間が増えた
最初は「育児で疲れてるんだろう」と思っていたけれど、それだけじゃなかったのです。
気づけなかった理由①:「俺も頑張ってる」が先に来てしまった
僕も仕事をしていたし、帰ってからも家事やオムツ替えなどを手伝っていた。
だから、正直「自分も疲れてるのに」と思ってしまった。
今思えば、“手伝ってる”という意識そのものがズレていたんです。
妻は24時間、赤ちゃんと向き合っていた。
休憩も終業もない。
それを“同じくらい頑張ってる”と比べてしまった自分が、何より鈍感でした。
気づけなかった理由②:「言ってくれなきゃ分からない」は危険な言い訳
「何かあったら言ってよ」と伝えていたけれど、産後の妻にはそれすらも難しい。
- 自分の気持ちを言語化する余裕がない
- 「弱音=母親失格」と思ってしまう
- 話そうとしても遮られたり軽く受け流された経験で、諦めてしまう
僕は「言われてないから分からなかった」と思っていたけど、気づこうとする意志が足りなかったと今は思います。
産後の妻を支えるために、僕が学んだこと
「言葉より、態度と行動」が大事だった
- ありがとうを言葉にする
- 家事や育児を“自分ごと”として主体的にやる
- 妻が赤ちゃんを離れられる時間をつくる(1人で外出OKの時間)
「俺は頑張ってるのに」は見せなくていい。
それより**“妻が頑張りすぎなくていい環境”を作る方がずっと大切**でした。
妻の「無表情・無反応」には意味があった
無表情=怒ってる、と思っていたけど、
実際は「感情を感じる余裕すらなかった」だけ。
これは産後うつの初期症状でもあります。
笑顔がない、目が合わない、ため息が増えた…そんな小さな変化を見逃さないことが、パートナーにできる第一歩です。
“解決”より“共感”を優先する
「じゃあこうしたら?」
「○○すればよかったのに」
産後の妻にとってはアドバイスより“共感”が圧倒的に必要です。
正解がわからない時は、
「それは辛かったね」
「毎日がんばってるよね」
「俺にできることある?」
この一言が、心を救うことがあります。
もしも、あなたのパートナーに違和感を感じたら…
- 急に泣くようになった
- 赤ちゃんを可愛いと思えないとつぶやく
- 自分を責める言葉が増えた
そんな兆候が見えたら、産後うつの可能性を疑ってください。
大切なのは、病名をつけることではなく、
「一人で抱え込ませない」こと。
「支え合う姿勢を持つ」こと。
僕はそれに気づくのが少し遅かったけれど、今では妻との関係は回復しました。
それは、僕が“何をするか”より“どう向き合うか”を考え直したからです。
まとめ|産後の妻を守れるのは、一番近くにいるパートナーだけ
出産は、女性にとって命がけの大仕事。
その後も心身はボロボロで、社会から孤立しやすく、感情のコントロールが難しくなります。
それに気づかず、「俺も頑張ってるのに」と不満を感じていた自分が恥ずかしい。
「産後のメンタルは、見えづらい。でも確かにそこにある」
「守れるのは、日常を共にするパートナーしかいない」
僕がこの経験から学んだ最大の教訓です。
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